インテリア史に名を刻む名作照明4選!

DIALuxと照明計画
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インテリア史に名を刻む名作照明4選!

DIALuxと照明計画入門 ひまわり照明設計室
公開済み by Writer -U174の blog · 15 5月 2022
Tags: PH5
どんな文化圏のどんな住宅にも当たり前に存在する「照明」。

わたしたちの周りでその存在は当たり前過ぎて、照明にこだわりたいと思ってもどうすればいいのかわからない、という人も多いかもしれません。


そんなときの一つのいいアイデアは、インテリア史に名を残す「名作」たちを眺めてみることです。

明かりであり、インテリアであり、アートであり、きっとどこかで見かけたことがある。

そして、見る人に「自分の部屋にもこんなの置きたいなぁ」と思わせる、照明器具の名作のいくつかをご紹介します。

イサム・ノグチ「AKARI」シリーズ



コロンビア大学医学部に在籍しながら美術学校の夜間部で彫刻を学んでいたという鬼才、イサム・ノグチ。

アメリカ人の母、日本人の父のもとにアメリカに生まれた彼は、アメリカ・日本・フランスを渡り歩きながら身につけた技術と鋭敏な感性で彫刻家、また工業デザイナーとして活躍しました。


そんなイサム・ノグチが1951年に当時の岐阜市長からの依頼を受けて制作が始まったのが「AKARI」シリーズです。

岐阜提灯から着想を得たAKARIはどれも、竹ひごと和紙でできたシェードを特徴としています。

その外観からは「和風モダン」という言葉が思い浮かぶかもしれませんが、和・洋問わずあらゆるインテリアスタイルにマッチします。

「和」とはそもそも和合・調和を意味する言葉。

どんなシーンにも調和するAKARIはまさに“和”の真骨頂とも言えそうですね。


シリーズは足掛け35年制作され続け、現在では200種ほどの作品が存在します。

ペンダントライトとスタンドライトがあり、どちらも1万円台から入手可能です。

シェードの和紙は耐久性が心配かもしれませんが、交換用のシェードが手頃な価格で手に入るのも嬉しいところです。



ルイス・ポールセン「PH5」


デンマークにて1800年代末頃から営業しているルイス・ポールセン社は工具・電気用品の販売店でした。

このルイス・ポールセン社が1925年に建築・インテリアデザイナーのポール・ヘニングセンとコラボレーションして出来上がったのが、巻き貝からデザインの着想を得たというペンダントライト「PH5」です。


「PH5」はサイズ・形状の異なる4つのシェードを特色としています。メインとなる最も大きいシェードの上部(通常であれば影になる部分)にも光があたり、全体のフォルムの美しさを引き立てています。

高い位置に配置してしまうとこの最大の特徴が見えにくいので、思い切ってダイニングテーブルの天板から65〜70cmほどの低めの位置に配置してみるのはいかがでしょうか。

また、直径50cmの「PH5」より一回り小さい、直径30cmの「PH5 MINI」も販売されています。

PH5 MINIを2,3個並べて配置してみても面白そうです。


フランク・ロイド・ライト「Taliesin(タリアセン)」シリーズ


近代建築の3大巨匠の一人と称されるフランク・ロイド・ライトは、400棟を超える建築物だけでなく数々の優れたインテリアも世に送り出しました。


彼がデザインし、自身の書斎にもおいていた「Taliesin(タリアセン)」シリーズは、内部に光源を有した長方形の木製ブロックが垂直に複数配置されています。

シンプルな長方形の配置から高度なデザイン性を生み出すその佇まいは、ライトの最も有名な建築の一つである「落水荘(カウフマン邸)」を彷彿とさせます。


いかにも感性や知性を刺激してくれそうなこの「Taliesin」、ライト自身がそうしたように是非とも書斎に置いてみたいですね。


最近ではライトの生誕150周年を記念して、日本の有名な建築家・坂茂氏やグラフィックデザイン集団groovisionsとのコラボレーションモデルも発売されています。


デザインハウス・ストックホルム「Block Lamp」


スウェーデンから世界に向けて数々の上質なプロダクトを発信し続けている北欧デザインの中心的存在、デザインハウス・ストックホルム社。

そこが、フィンランドのデザイナーであるハッリ・コスキネンと手を組んで1996年に発売したのがこの「ブロックランプ」です。

現在、ニューヨーク近代美術館が主宰するMoMA Design Storeで取り扱われています。


工業用のガラスブロックから着想を得たこのブロックランプは、ガラスブロックの中に裸電球が閉じ込められているようなデザインになっています。

完全な直線でできた直方体ではなく、あえて手作りのような曲線を持たせたその全体像はさながら氷塊のようでもあり、どこか人間的なユニークさも感じさせます。

手作業で鋳造され、温度差によりひび割れないように長時間かけて冷却されたガラス部分は見た目以上にとってもタフ。

シェルフに配置したり、床にそのままおいてみてもいいですし、積み重ねてみたり、またその重さを生かしてブックエンドとして配置してみるのも面白いかもしれません。


ガラス部分を黒く着色した「ブロックランプ・スモーク」、ミニサイズの「ブロックランプ・ミニ」も販売されています。








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