海外の住宅照明トレンド 1 ― 照明の配置

DIALuxと照明計画
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海外の住宅照明トレンド 1 ― 照明の配置

DIALuxと照明計画入門 ひまわり照明設計室
公開済み by Writer -U174の blog · 15 5月 2022
Tags: ダウンライト、ペンダントライト
シャビーシックな家具、ちょっぴりスモーキーな色のラグ、おしゃれな柄の輸入カーテン・・・。
海外ドラマに登場するようなインテリアのお部屋って、憧れますよね。

お気に入りのインテリアアイテムを集めている方も多いかもしれません。


実は海外のようなダイナミックでファッショナブルなお部屋づくりには、「照明」の存在が欠かせません。

家具や雑貨それぞれの良さを引き立てながら調和させ、空間全体をグッと洗練された雰囲気にランクアップさせてくれる効果が、照明にはあるのです。


今回は、海外で人気の住宅照明のテクニックについてご紹介して行きます。

シリーズ初回は、オシャレ度が一気に上がる照明の配置について、見てみましょう。

メインの照明に頼らない

日本の住宅で一般的なのは、お部屋の照明は天井直付のシーリングライトのみ、というスタイル。天井からの直接的な光だけではどうしても平面的になり、のっぺりとした雰囲気になってしまいます。

もちろん海外のお部屋は日本に比べ広くて天井が高い、という違いもありますが、照明によるテクニックを駆使すれば、海外のような立体感や奥行のある空間に、日本のお部屋でも仕上げることが可能です。

ポイントは、光の「溜まり場」をいくつも配置すること。

つまり、1箇所の照明のみに明るさを頼らず、複数の照明によって空間に表情をつけていくことが基本となります。


ペンダントライト + ダウンライト



最も天井が高く見えるスタイルです。新築や比較的大規模なリフォームなど、配線から照明計画が考えられるなら、天井の照明はぜひこの2つを組み合わせてみてください。

まずは、お部屋のメインとなるペンダントライトを選びます。

できれば、様々な方向に光が拡散するタイプのデザインが良いでしょう。

シェード(傘)が完全に電球の上部を覆わないものや、円形で半透明のものなど、天井や周辺全体に柔らかい光が拡散するタイプの照明は、より天井を高く広く見せてくれます。

また、リビングなど大きな空間には、大ぶりでデザインも思い切ったものに挑戦してみても良いでしょう。

お部屋のポイントとなる部分ですので、照明単体で見るよりも、案外全体に馴染んでバランス良く仕上がります。

ペンダントライトで照らしきれない部分は、ダウンライトで明るさを補います。

ダクトレールが敷けるなら小さなスポットライトで代用すると、照明の位置も変えることができて便利です。

「目線から下」にもポイントを



天井の照明計画がある程度整ったら、目線から下の位置にも光の溜まり場を作ります。昼間とは違ったお部屋の雰囲気を作ることで、会話や食事をゆったりと楽しむ夜の時間を演出できます。

まずはフロアライト。家具のひとつとして捉え、アイキャッチとなるデザインを選ぶと良いでしょう。リビングであれば身長と同じくらいの高さのライトをソファのサイド〜後ろ辺りに配置すると、トータルコーディネートされたようなおしゃれな空間に仕上げることができます。また、ベッドルームでは小ぶりのものをお部屋の端に配置すると、エステやスパのようなリラックスムードを作ることができます。

飾り棚やカウンターのあるお部屋なら、ディスプレイの一部としてスタンドライトを置くのもおすすめです。


賃貸でも叶う、間接照明


天井の端や作り付け家具の内部、壁付ミラーの裏など、「間接照明」というと、内装工事の段階で計画しなければ仕込めないものとして捉えられがちです。

しかし、賃貸でも簡単に間接照明を作る方法があるのです。

一番手軽な方法は、シンプルで小さなサイズの球体のフロアランプを用いたテクニック。

テレビボードや大きめの観葉植物、スタンドタイプの姿見の裏などにランプを隠すように置きコンセントに繋げば、どこからともなく光が漏れて、お部屋に立体感を出すことができます。

また、どうしてもシーリングライトを外せない場合には、薄い布などで照明を覆い、四隅を天井に留めつけても良いでしょう。アジアンリゾートのような柔らかな印象になります。


さらに進んだ間接照明にチャレンジしたい方は、ホームセンター等で手に入るLEDのテープライトを使ってみてはいかがでしょうか。

ライン状に光るリボンのようなライトを両面テープで好きな場所に貼り付け、余った部分はカットすることができるというものです。

棚板や天井、床のラインに沿って貼り付ければ、建て付けの間接照明に近い雰囲気を出すことができます。LEDなら点灯中も電球の温度が変わらないので、飾り棚の奥などに使っても安心です。

これらの間接照明は、後付けで好きな位置に挑戦できるからこそ、色で遊ぶこともできるのが大きなメリットです。ブルーやピンクなどの電球の色で、バーのような空間にしても素敵ですね。

イルミネーションを日常に



クリスマスシーズンのようなイルミネーションをインテリアに採り入れることも、海外の住宅照明では当たり前になってきています。

例えば立体のアルファベット文字が光るサインライト。玄関先に「WELCOME」の文字を置いたり、名前の文字を並べたりするディスプレイは、消灯時にも絵になる優れものです。

また、たくさんの電球が紐状の電線で繋がれているガーランドは、クリスマスツリーに絡ませる使い方が日本では一般的ですが、日常のインテリアでも様々な場所を彩ることができます。

このガーランドライトは、散りばめられた光が妖精の光のようであることから海外では「フェアリーライト」の名で親しまれ、住宅照明の世界でトレンドになっています。

壁一面をフェアリーライトの光で覆ったり、ベッドサイドやカーテンに纏わせたり。ロマンチックな可愛さと大人の雰囲気を両立させれば、たちまち海外ドラマの世界のようなインテリアの完成です。


まとめ

いかがでしたか。洗練されたインテリアは、これまでの照明を少し変えたり加えたりするだけで、案外手軽に作ることができるものです。

ちょっとした工夫が、日常を過ごすお部屋をとても特別な空間に変えてくれますよ。

新居を構える人も、模様替えをする人も、そうでない人も。

ぜひ身近なところからチャレンジして、素敵な住宅照明でお部屋を覆ってみてくださいね。









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